指のしびれを自覚している人は多いです。
「しびれ」をそのままにしている人は多い
しかし、「気になるけど、痛くないからそれほど困らない」と思ってあまり病院を受診しない人が多い印象です。
そのため、病院を受診した時には結構病状が進行していたりします。
指のしびれの原因は、いろいろ考えられて、適切に診断されないことも患者さんが病院を受診しない要因かもしれません。
「○○病院を受診したけれど、結局しびれの原因はわからないって言われた」という話もしばしば耳にします。
診断方法1: しびれる指は、何指?
まずは、「どの指がしびれるのか」を確認していただきたいと思います。
A. 親指+人差し指+中指(+薬指)の場合:手根管症候群うたがい
B. 小指(+薬指)の場合:肘部管症候群うたがい
C. 親指~小指5本すべての場合:頚髄や脳などの中枢、糖尿病など
と大まかに考えられます。
診断方法2: 「薬指(環指)」の感覚の解離があるか
そして、さらに「薬指(環指)」に注目してほしいと思います。
そして、薬指を拡大したものが次のイラストです。
図のように、薬指を真ん中で分けて、「①中指側:赤色」と「②小指側:緑色」でしびれや触った感触に「差があるか?」を調べていただきたいです。
「薬指(環指)の解離<Ring Finger Splitting>」と言われる所見でとても有用です。
もしも①の方がしびれが強い、感触がおかしければ、A.手根管症候群が疑われます。さらに親指・人差し指・中指もしびれていれば、可能性は高まります(詳細は過去記事{「手根管症候群」の診断と治療}を参照してください)。
②の方がしびれが強ければ、B.肘部管症候群が疑われ、さらに小指もしびれていれば可能性が高まります(過去記事{「肘部管症候群」の診断と治療}参照してください)。
そして、①と②のしびれ具合が同じであれば、C. 頚髄や脳などの中枢疾患、糖尿病などの可能性が高いです。
シンプルで優れた診断法
この「診断方法1:どの指がしびれるか」と「診断方法2:薬指の感覚の解離があるか」の二つを確認する方法は充分ではありませんが簡便に行える優れた方法です。
私が病院で診察する際にも、初めての診察時には最も重要視している診断法です。
この所見をもとに、より詳しい検査を予約するためとても大切な所見になります。
しびれを自覚している人や、家族等身近な人で指がしびれると言っている場合には是非試していただければと思います。