整形外科って、美容整形?
整形外科というと、「美容整形」を思い浮かべる人もいらっしゃいますが、美容整形はむしろ形成外科(の一部)です。
日本整形外科ホームページでは、整形外科を「骨格系・筋肉・神経系からなる運動器の機能的改善を重要視して治療する外科」としています。
一方、日本形成外科学会ホームページでは、形成外科を「身体に生じた組織の異常や変形、欠損、あるいは整容的な不満足に対して、機能のみならず形態的にもより正常に、より美しくする」とされています。
違いを一言で言うのは難しいですが、大雑把に言うと
整形外科:運動機能を改善する
形成外科:形態(見た目)を改善する
という特徴になります(これ以外の要素もありますが、簡潔に述べるとこうなります)。
整形外科の疾患
と言われても、よくわからないと思いますので、整形外科の代表的な症状・疾患を挙げてみますと。
・腰痛
・膝痛
・骨折
・肩痛
などになります。
海外と日本の整形外科の違い
しかし、整形外科で扱う疾患は、海外ではまた少し違います。
海外の整形外科医は「ほぼ手術のみ」を行います。
整形”外科”なので「手術」という事です。
ですので、腰痛を整形外科医がいきなり診ることは海外では少ないです。
海外では「家庭医」「ホームドクター」の制度が浸透している国が多く、まずはかかりつけのホームドクターに腰痛を診てもらいます。
そして、手術が必要と判断されればホームドクターが整形外科医に紹介状を書いて、病院の整形外科医が診察し、手術の予定を立てていきます。
一方、日本ですと腰痛でもいきなり病院の整形外科を受診されます。
そして、診察・レントゲン検査をして、まずは腰痛体操・シップ処方をして、また1か月後に受診していただく。
つまり日本の整形外科医は、手術も行うし保存治療(=手術以外の治療法)も行っている点が大きな特徴です。
ですので、日本の整形外科医は「保存治療か手術治療の選択」が、海外の整形外科医よりも優れているのが利点だと思います。
(その分、身につけるべきことが増えますが…)
海外の整形外科医は手術ばかりをすることが多いので、手術には慣れていますが保存治療はあまり経験がありません。
役割分担という点では海外システムの方が良いので、日本と海外とどちらの制度が優れているかは何とも言えませんが、日本の整形外科医が治療法の選択に優れているという事は、最終的により良い治療を患者さんに提供できると思っています。
私は、費用を含めて患者さんに様々な治療法を提供できるように心がけています。