原因と症状
ボールなどで突き指をし、第一関節が伸ばせなくなります。
自力で伸ばそうとしても伸びませんが、手伝ってやると伸びます。
原因は2種類あります。
①腱断裂
②骨折
種類で治療が大きく異なります。
診断
上記のような受傷(ボールで突き指)をして、第一関節伸展ができないという症状があれば、どちらの原因かを調べるためレントゲン撮影をします。
骨折無し⇒①腱断裂(でも、レントゲンで腱は見えません)
骨折あり⇒②骨折
という診断になります。
治療
①腱断裂の場合
保存治療が基本です。
約6~8週間外固定(指用シーネなど)をします。
そして、大事な事は「第二関節は動かす」です。
第一関節を6~8週動かさないと関節が固くなります。
これはある程度仕方がないですし、第一関節の可動範囲が小さくなってもそれほど日常生活には支障はきたしません。
しかし、第二関節の可動範囲が狭くなると結構不自由になります。
ですので、「第一関節部は指用シーネを着用しながら第二関節は動かす」ことが大切です。
②骨折の場合
A. 骨折の骨片の大きさ
B. 関節亜脱臼があるか
で、保存治療か手術になるか決まります。
手術治療:
・Aの骨片が関節面の1/3以上の大きさの場合と
・B(関節亜脱臼がある)の場合 です。
手術は、石黒法と言われる経皮的鋼線刺入術が日本では標準的です。
皮膚を切開せずにレントゲン透視を見ながら、直線ワイヤ―(キルシュナー鋼線)を2~3本骨に刺入します。
保存治療:
・Aの骨片が関節面の 1/3未満の大きさの場合です。
方法は、腱断裂の保存治療と同様で約6~8週間の外固定です。
日本では骨折があれば、骨片が小さくても(関節面の1/3未満でも)手術を行っている病院も多いですが、「骨折があれば手術」という考えは改めてほしいと思うのは過去記事「『橈骨遠位端(手首)骨折』の治療」と同様です。
手術費用<その他諸費用(薬代など)が別途必要になると思います> 3割負担の方:約7千円。 <内訳> ・骨折経皮的鋼線刺入固定術(指)の場合:2190点(=21,900円) *麻酔:神経幹内注射の場合;25点(=250円) #内固定材料価格 ・キルシュナー鋼線:505円/本(約3本使用)(診療報酬点数2022年4月に基づいて計算)