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医師の大学医局制度とは・・

医療制度

大学医局と聞き、思い浮かべるのは「白い巨塔」という本・ドラマでしょうか?

今の時代はあれほど封建的な上下関係ではなくなりましたが、未だにイロイロとあります・・

近年では「私、失敗しないので!」の決め台詞のドラマの方が知っている人が多いかもしれません。

大学医局の役割

大学医局は、各医局ごとに複数の”ジッツ”とよばれる関連病院を持っています。
(ジッツとは、ドイツ語のジッツェン(sitzen=座る)に由来する言葉らしいです)

これは数年ですぐ持てるというものでは無く、長年かけて形成されていきます。

ですので、私の専門の整形外科でも、病院によって「○○大学系」「△△大学系」と別れています。

さらには、同じ病院の中でも整形外科は○○大学系だけれども、内科は△△大学系という事はとても多いです。

そして大学医局はジッツ病院の人事権を持っています。

つまり、人材派遣を大学医局が実施しており、どの医師をどの病院に配置するかを握っているという事です。

一昔前は、その人事権を大学教授が完全に握り、自分の思うがままに人事権をふるっていましたが、最近は教授ではなく大学内の複数の医師たちがより民主的に人事を決めて、最後に教授にお伺いを立てる大学も多いようです。

さらに、大学が人材派遣業を行う事に問題があるとして、「関連病院の人事は別の組織に依頼する」という、よりホワイトな大学医局もある様です。

あるいは、大学医局を法人化して自分たちで運営しているところもあります。

以下に、医局制度の良い点・悪い点をそれぞれの立場から、考えてみたいと思います。

医局制度の良い点

大学医局にとって:多くの医師数を確保することで、大規模な研究を実施しやすい。
・一般病院と患者さんにとって:常時、医師を派遣してもらう事ができる。
・医師にとって:職場を斡旋してもらえる。大組織に守ってもらえる。

医局制度の悪い点

大学医局にとって:特に無い
一般病院と患者さんにとって:突然「派遣中止」と言われ、医師不足になるリスクがある。問題のある医師が派遣される場合がある。
医師にとって:希望していない勤務先や仕事内容でも、承諾しなければならない。

といった感じでしょうか。

このようにメリットとデメリットが共にある大学医局制度ですが、専門医制度(「整形外科専門医制度とは」 「手外科専門医制度とは」)とも絡めてまだ存続していきそうです。