定義
2000年にアメリカ国立衛生研究所(NIH)が「骨強度の低下を特徴とし、骨折のリスクが増大しやすくなる骨格疾患」と定義しました。
骨強度=骨密度+骨質とされています。
そして、骨粗鬆症が問題となる理由は「骨折の危険性が高まった状態」であるからです。
極論を言えば、骨粗鬆症であっても骨折しなければ大きな問題はありません。
しかし、骨粗鬆症が重度になるほど骨折の危険性が高まるので、きちんと発見・治療を受け、骨折を予防しましょうという事です。
好発年齢
50歳代以降の女性に多く、年齢とともに重症化傾向があります。
診断
A.脆弱性骨折(骨が弱くなったために軽微な外力で骨折してしまう事)が過去にあったか。
B.骨密度(骨塩定量)検査(大腿骨+腰椎が推奨だが、手なども可能)
女性は65歳以上、男性は70歳以上で検査が推奨されています。
この二つ(AとB)を組み合わせて診断します。
詳細は骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン(2015)を参照してください。
治療
①薬物治療
骨密度や脆弱性骨折の有無により、選択されます。
ビスホスホネート、副甲状腺ホルモン剤の他に様々な薬剤があります。
自分の判断で中止すると、むしろ骨折しやすくなる場合がありますので、自己判断での中断は絶対しないで下さい。
②運動療法
運動することによって、
・骨への刺激が増えて骨が強くなる。
・筋肉が強くなる。
これらにより、脆弱性骨折の予防につながります。
これからの日本
日本の超高齢社会により、骨粗鬆症の人・脆弱性骨折する人はますます増えると予想されています。
骨粗鬆症患者さんには椎体(背骨)骨折や大腿骨近位部骨折が生じやすく、一旦これら骨折生じると寝たきりとなったり、生命の危険にもつながり得ます。
健康な生活をできるだけ長く送るためにも、骨粗鬆症の早期発見&治療開始は重要です。
医療機関も骨粗鬆症を重視するようになってきていますので、まだ検査を受けたことが無い高齢者の方々は、是非一度骨密度検査を受けてみてください。
検査費用<その他諸費用が別途必要になる場合があります> 3割負担の方:240円~1,080円 <内訳> ・骨塩定量検査(DEXA法):360点(=3,600円) ・骨塩定量検査(REMS法):140点(=1,400円) ・骨塩定量検査(MD法、SEXA法):140点(=1,400円) ・骨塩定量検査(超音波法):80点(=800円)(診療報酬点数2022年4月に基づいて計算)